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革靴のトゥスチールはどのタイミングで取り付けるのか?

革靴
この記事は約18分で読めます。
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「つま先が…削れている…もしかしてもう終わり!?」

靴好き男子
靴好き男子

大事に履いていたのに…つま先が削れてる。
これって大丈夫なのかなぁ?

HIROsophy
HIROsophy

大丈夫!
それはレザーソール?

靴好き男子
靴好き男子

そう、レザーソール。
歩く頻度が多いからかなぁ?

HIROsophy
HIROsophy

つま先補修のやり方は色々あるけど今回はトゥスチールをご紹介!

靴好き男子
靴好き男子

トゥスチール…?

革靴のソールの減りは避けられない問題ですよね。
特に減りやすい踵やつま先は最初に目に付くと思います。
つま先に関してはすり減ってしまうとウェルトや押縁を削ってしまい、酷くなるとアッパーまで削れてしまうという事態になりかねません。

アッパーが削れるというのは既にウェルトや押縁が機能を果たしていないことになるため、すぐに修理が必要になります。

今回はそんな事態にならないためにつま先補修の一つである「トゥスチール」についてお話したいと思います!

革靴のつま先が削れた時の修理方法は?

婦人靴にハーフラバーを貼る

革靴のつま先補修のやり方としては、トゥラバーやトゥレザー、トゥスチールなどがあります。
トゥラバーはすり減ったつま先にラバーで補強をする修理で耐久性があります。
レザーソールの見た目を損ないたくないという方にはトゥレザーがおすすめです。違和感なく仕上げることができます。

今回はトゥラバーでもトゥレザーでもなく「トゥスチール」というつま先に金属を取り付ける修理について提案したいと思います。

靴好き男子
靴好き男子

トゥスチールで私の革靴は直るかな?

トゥスチールはどのタイミングで取り付けるのか?

お客様がよく質問されていたのは
「トゥスチールっていつ取り付けますか?」
というタイミングについてよく聞かれました。

確かに、どういう状態になったらトゥスチールを取り付けるのか分からないですよね。
そこで今回は新品とつま先がすり減ってからという2つの状況から考えます。

日常を考えてみると、すり減って初めて「つま先、削れ過ぎてるかも?」と思う方も多いと思います。
そのため修理工房にはつま先補修の修理はかなり来ます。
もちろん殆どが新品の状態ではなく使っていてつま先が削れてしまったため修理をしに来ているお客様でした。

当然革靴の修理というのは使っていて摩耗しているところを補うことが「靴修理」なので減ってしまっているつま先を補修するというのは当然のことです。

ただもし選択できるとしたら「新品」と「使った後」ではどちらがいいのでしょうか?

革靴が新品の状態で取り付ける

新品のTricker'sのソール

購入後すぐにトゥスチールを取り付ける方もいらっしゃいます。
「どうせ削れてしまうのなら削れないように最初に取り付けておこう」
という最も合理的な考え方のお客様です。

当然「正解」ですね。
レザーソールはラバーソールに比べて削れやすいというのは周知の事実でありますから、削れる前に取り付けるというのはとても良い考えです。

靴修理職人はだし縫いのステッチを切らないように薄くつま先を削りトゥスチールを取り付けます。

革靴のつま先がすり減ったら取り付ける

真鍮を取り付けたつま先

新品の革靴にトゥスチールを取り付けることがなかった方が大半だと思います。
殆どの方がつま先が削れてしまってから気づくものです。

よくお客様から聞かれたのは「削れたつま先にもトゥスチールは取り付けることができるのか?」という質問です。

できまーす!!

答えは「YES」です。
削れてしまっている状態のままトゥスチールを取り付けることはないのでご安心を。
状態によりますが削れてしまっている部分はしっかりとレザーを使い補修します。
削れてしまったつま先をフラットな状態にしてからトゥスチールを取り付けます。

トゥスチールって種類はあるの?

つま先補強のトゥスチールには実は種類があります。
店頭などではそれぞれの種類の説明をし、選んでいただきます。
お好みのトゥスチールを選びましょう。

革靴のつま先を削って取り付けるヴィンテージスチール

ヴィンテージスチールはその厚み分のつま先を削り取り付けます。
ソールがつま先までフラットに仕上がるため違和感がありません。

革靴のつま先を削らずに取り付けるトライアンフ

トライアンフは新品ゆえつま先の返りが悪い時に一時的に取り付けます。
そのためつま先を削ることなく、そのままの状態(新品の状態)で上から乗せビスで打ち込みます。
「つま先を削りたくない」という方にはおすすめです。

何のためにトゥスチールを取り付けるのか

Tricker'sのエイコーン

革靴を愛する者には絶対知っておいていただきたいお話ですが、トゥスチールというのは「つま先補強」のために取り付けます。

トゥスチールはつま先の摩耗を防ぐ

特殊な歩行をされる方以外は皆様つま先からレザーソールは削れていってしまいますよね。
これはレザーソールの宿命だと言っても過言ではありません。
そんなレザーソールの宿命であるつま先の削れを防ぐためにトゥスチールは取り付けられます。

ダブルソールにトゥスチールが必要!

返りの悪いレザーソールの中に、ダブルソールやトリプルソールがあります。
重厚感がありとても格好いいダブルソールですが、返りが悪いためつま先が削れやすいというデメリットもあります。

「そんなこと気にしてたらダブルソールなんて履けない!!!」

そうなんです、ダブルソールやトリプルソールでつま先が削れることばかり気にしていたら外を歩けませんよね。
そこでトゥスチールを最初に取り付けることでつま先の削れを気にせずに外を歩くことができます。

トゥスチールを取り付けてあえて音を出したい!

私が取り付けている真鍮のトゥスチールは歩いても音がしませんが、ヴィンテージスチールのタイプは歩き方により音がします。
カチカチという金属が擦れる音が歩くとしますね。

これは好き好きがあるため、革靴らしさを強調して歩きたい方の場合はトゥスチールは向いています。

トゥスチールを取り付ける場所はどこか

「トゥスチールって言ってるんだからつま先だろ!」というツッコミが入りそうですが、スチールを取り付ける場所としては「つま先」か「踵」という2カ所を選ぶことができます。

「踵」というのはつま先同様にすり減りやすい箇所になるため、すり減りが気になるお客様はつま先と踵を同時にスチールを取り付けたいという方もいます。

つま先にトゥスチールを取り付ける

レザーのソール

つま先にトゥスチールを取り付けるタイプです。
一般的によく見掛けると思います。

かかとにスチールを取り付ける

革靴の踵

踵というのはリフトの隅にスチールと取り付け削れにくくするという者です。
確かにスチールを取り付けることで踵は削れにくくなりますが、デメリットもありかなり滑ります。

靴修理職人としてはお客様が怪我をしてしまうというのは一番困ります。
そのためそのリスクもご理解いただきたく受付時リスク説明を十分に行った上で踵へのスチール修理は行います。

もし踵へのスチールをお考えの方は今一度リスクについても考えてみて下さい。

トゥスチールのバリエーション

靴好き男子
靴好き男子

トゥスチールよりも最強の補強ってあるんじゃない?

HIROsophy
HIROsophy

気づいてしまったかー

ハーフラバーとトゥスチールを同時に取り付ける

ハーフラバーと靴

「ハーフラバー+トゥスチール」という組み合わせは賛否両論ありますが、実際に行われる靴修理です。

ハーフラバーによりソールのすり減りを補強し、トゥスチールによりつま先のすり減りを補強します。

つまり最強の補強のやり方です。

初めてトゥスチールを取り付ける前に

?の文字
靴好き男子
靴好き男子

トゥスチール、やっぱり怖いよー

靴修理はやはりリスクはつきものですから、しっかりとその修理のリスクを理解していただく必要があります。
またトゥスチールを取り付けるに当たって疑問点もいくつか出てきたと思いますので、接客の中で多かったお客様からの質問を挙げてみます。

トゥスチールは音が鳴るのか?

答え:歩き方や素材によって違うがYES

絶対に音が鳴るとは言えませんが、歩き方やトゥスチールの素材によって、また形状によってはカチカチと金属が擦れる音がすることもあります。

トゥスチールは外れてしまうことがあるか?

答え:YES

トゥスチールといえども絶対に削れないというものではなく、やはり歩けば歩くほど摩耗していきます。
そのためビスが外れたり、緩んだりすることでトゥスチール自体が歩いているうちに飛んでいってしまうこともあります。

トゥスチールを交換することはできるのか?

答え:YES

トゥスチールが削れてしまった場合は交換することができます。
ただソール自体も以前よりも更に傷んでいるため、トゥスチールを交換してもビスが抜けやすくなることもあります。

トゥスチールを取り付けると滑るのか?

転び人の影

答え:YEEEEEEEES!

つま先立ちのような歩き方になった場合、滑ることもあります。
これは歩き方にもよりますが駆け足やマンホールの上などツルツルとした場所を歩く際はお気をつけ下さい。

トゥスチールはつま先補修の一つの選択肢として考えよう!

革靴と紳士用品

つま先が削れてしまったら必ずしも「トゥスチール」を取り付けなければいけないことはありませんが、長年革靴を履いていると必ずすり減ってくるのがつま先です。

そこで革靴の修理をする際に見た目も格好良くておしゃれなトゥスチールを選択肢に入れておいていただけないでしょうか。

クラシックな革靴を好んで履く方にもピッタリな修理方法です!
ぜひお試し下さいね。

最後までお読みいただきありがとうございました!

その他の修理はこちらからどうぞ!

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