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革靴のかかとの修理はするべき本当の理由を経験から解説!

革を裁断する男 革靴
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革靴のラストに囲まれる男

以前に革靴を長持ちさせるためには靴磨き(メンテナンス)が重要ということをご紹介してきましたが、靴磨きだけやっていても本質的な傷んだ部分は直りませんよね。そこで今回は修理に焦点を当てて考えてみたいと思います。私は靴磨き職人と同時に靴修理職人でもあったため、物凄い数の修理するべき革靴と出会ってきました。その経験から、職人視点で長持ちをさせるための修理についてお話しします!

革靴を長持ちさせるために修理は必要か?

簡潔な表現でいうなら「修理は革靴を長く愛用するためにする」というのが答えですが、もう少し丁寧に表現するなら「修理は摩耗した革靴の部品を交換し付け替えることで長く履ける」ということです。

革靴というもの幾つかの製法があり、グッドイヤーウェルト製法の場合は200以上の工程を経て作られていますよね。この工程というものは部材(部品)を繋ぐ工程でもあります。複数の部材がブロックのようにはめ込まれて作られています。
そのためそのはめ込まれた部材(部品)を新しいものに交換することで摩耗した部分は新しくなりまた使えるようになります。

革靴がどのような状態になったら修理するのか?

部品を交換すればまた長く履けることはお分かり頂けたかと思いますが、ではどのような状態になったら修理するのでしょうか?修理の代表的なパーツごとお話しします。

つま先の修理

革靴を正面から見て下さい。あなたの革靴はどれくらい削れているでしょうか?アウトソール(靴底)を超えてウェルトまで削れている場合は危険信号です。ウェルトまで削れている場合は即修理をして下さい。この写真程度の削れの場合はまだ修理はしなくても大丈夫です。

ウェルトまであと少しのところまで削れている場合はつま先にトゥスチールかトゥラバーをした方が良いでしょう。写真はつま先補強をしています。素材はスチールではなく真鍮を使用しています。これでつま先の削れは補修できました。


靴底の修理

革底の靴の場合力がかかる前半分が擦り減りやすく薄くなり穴があく場合があります。そうならないために前半分を補強できます。素材はレザーとラバーがあり、ラバーの方が耐久性があるため通常はラバーをおすすめしますがどうしても見栄えはレザーと比べ悪くなるため、見栄えを重視されたいという方はハーフレザーをおすすめします。

こちらの場合も革底が滑って怖いという方には擦り減り度合いに関係なくハーフラバーを取り付けグリップ力を上げることもできます。革底の場合は、雨が降った場合など階段やマンホールなどで滑りやすく怖い思いをした方も多いと思います。その場合はすぐにハーフラバーを取り付けても問題ありませんが、ハーフラバーを取り付ける際靴底を削ってしまうため、今後ハーフラバーを取り外して履くということはできなくなります。もしハーフラバーを取り外したい場合はハーフレザーにすればほぼ目立たなくなります。


かかとの修理

かかとの場合は革靴を平らなところに置いてまず横から見て下さい。あなたの革靴のかかとはどれくらい擦り減っているでしょうか?この写真はゴムと革のコンビのかかと(リフト)がついており何重かの層になっているのがお分かり頂けますか?こちらは積み上げといいます。厚みは3mm程度の革が何層にも重ねられています。直接地面につく部分(トップリフト)が削れ積み上げまで削れている場合はすぐに修理することをおすすめします。


修理方法は幾つかあり、トップリフトごと交換してしまう方法と、削れた部分だけ端材を使い埋める方法があり、価格としては端材で埋めた方が安上がりですが見栄えは断然トップリフトを交換した方が綺麗です。かかとの修理は元々がゴムと革のコンビのかかとがついていたとしても、写真のようなゴムのかかとにも交換ができるため「革のかかとは滑るから怖いよ」という方には修理をする際にゴムのかかとに交換することをおすすめします。

またかかと自体の高さを変えるというカスタムも可能です。「もう少し身長を高く見せたいよ」という方は積み上げの枚数を増やすことでヒール全体の高さを高くすることもできます。

かかとは一番摩耗しやすい部分で、柔らかいかかとの素材がついている場合は3時間程度歩き続けるとすぐに減ってしまうものもあります。靴磨きをする際によくチェックし積み上げまで減っていた場合は修理をしましょう。かかとが新しくなればまた気にせず使い続けることができます。
今ついているかかとの素材が柔らかくすぐに擦り減ってしまうようであれば、かかとを交換する際に硬い素材のゴムにすることもできます。


愛着のある革靴だから自分で直したい!

ご自分で修理までしたいという方にはシューグーという靴底補修剤が販売されています。このシューグーは擦り減ったり穴のあいてしまった靴底を補修、修理できるためご自分でされたい方はこちらを使ってみるとよいです。


革靴は部材(部品)交換するだけでもっと長持ちする!!

革靴を修理した方がいい理由がお分かり頂けたでしょうか?部材(部品)を交換するだけの修理で革靴はもっと長く履けます。是非摩耗した部分を修理し長く履いて頂きたいと私は思います。靴磨きは誰でもご自分でできますが靴修理はなかなかご自分でできるものではありませんので、是非困った時は靴修理のプロへお任せ下さい。見違えるように綺麗になって戻ってきますよ!なかなかお近くに靴修理をしているお店がないという方は宅配サービスで靴修理を行っているところもございますので利用してみるとよいかもしれませんね。

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