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革靴に傷がついた場合の対処法を状態別に解説&傷補修のやり方を伝授!

靴磨き
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バーガンディのブーツ

新しい革靴を買って浮かれて履いていたら、ゴリッと傷つけてしまった経験はお持ちではないですか?新しい靴だから気をつけていたのに…絶望…と今そんな気持ちの元靴磨き職人のHIROsophyです。

そんな事態に陥り右往左往している方必見の傷補修のやり方をお教え致します!
お店の靴磨きに出すと磨きのメニューの他に傷補修というメニューがあると思いますが、私が実際にお店でやっていた傷補修をご紹介致します。

今回は機械など使わずに手作業でできる簡単な方法をご紹介しますね!
傷がついて困ってしまっている方はぜひ参考にして下さい。

革靴の傷の程度を確認しよう

まずはあなたの革靴をよく見てどの程度の傷なのかを確認して下さい。それによりどんな方法で対処するのか変わります。

擦れ

Dr.Martensの傷

こんな感じの擦れている程度でしたら通常の靴磨きで十分に目立たなくなります。こちらはご安心下さい。

えぐれ

えぐれた革靴

厄介なキズはこちらです。完全に引っかかり革がえぐれてしまっています。

綺麗にめくれている場合は革用接着剤を使用し、そのまま貼り付けるという方法が一番目立たなくなりますが、えぐれた表面の革自体どこかへいってしまった場合は傷補修という方法でこの傷を目立たなくすることができます。

この傷補修という方法は若干革靴自体にもダメージがありますので、磨いて目立たなくなるようでしたら磨きをおすすめします。あくまで「最終手段」だと思って頂きたいです。では「えぐれた傷」を傷補修により目立たなくしていきます!

革靴の傷補修をやる前に確認する大事な3つのポイント

茶色のチャッカブーツ

傷補修を行う前に心の準備をして頂きます。それは①傷補修をしても完全には元には戻らない場合もある、②雰囲気や色合いが変わる場合がある、③表面を削るという点です。

これはお店で実際に靴磨き職人時代にお客様に対してご説明をしご納得頂いた方だけ傷補修をお受けしておりました。この3点はこちらをご覧になっている皆様にもご理解頂きたいです。堅苦しいようですが、かなり大事なポイントです。削る傷補修の場合はできる範囲が決まっており芯が入っている爪先と踵だけです。他の部分は削ることができないため修理不可です。

①傷補修をしても完全には元には戻らない場合もあるというのは、その傷の度合いによります。あまりに損傷が激しいものですと元のようにはならない場合があります。

②雰囲気や色合いが変わる場合があるというのは、傷補修は上から傷補修用クリームを塗ります。この時に元の色と若干色合いが違う場合もありますということです。
実際の靴は海外で作られているものも多く、その染色で使われている色が日本国内では存在しない場合もあり、再現させるというのは至難の技です。
近い色を作ることはできても全く同じ色を再現できない場合は少し雰囲気が変わることもあります。

③表面を削るというのは、そのままなのですがえぐれてしまっている部分をサンドペーパーなどを使い削ります。「このえぐれた状態でさえ悲しいのにこれ以上に削るの!?」と言いたい気持ちもよく分かりますが、削ります。削ったあとあまりに凹みができるようでしたら革用パテを使い埋めることになります。(この辺りは車の塗装のキズ補修をされている方はすぐに理解できると思います。ハッキリ言って同じことをします)

革靴の傷補修開始

まずは道具を準備しましょう。この手の作業は自分にあった道具を揃えることが上手くいくコツともいえます。

用意するもの

サンドペーパー

こちらはウォータープルーフのサンドペーパーです。写真左側から、600番・1000番・2000番です。320番・500番・800番・1500番もありますが写真に収めたのはこの3つです。数字が大きくなるほど細かくなるので私は状態に合わせて使い分けます。デリケートクリームを塗りながら削ることもあるため、ウォータープルーフを選んでいます。

コロンブスの傷補修用クリームのアドカラーです。えぐれたところには通常の靴クリームでは色は入りませんので、この傷補修用クリームを使います。サフィールからもレノベイティングカラー補修クリームという傷補修用クリームが出ていますが、今回はコロンブスの傷補修用クリームを使います。

コロンブスの傷補修用クリームの特徴はサフィール のレノベイティングカラー補修クリームに比べて艶が出るところです。サフィールのレノベイティングカラー補修クリームは本当にマットな仕上がりになりますので、こちらはお好みで使い分けて下さい。

こちらがサフィール のレノベイティングカラー補修クリームです。絵具のように混ぜて使えます。黒色以外の殆どの場合が色を作ることになりますので靴にあった色は元々存在しないと思って頂いたほうがよいでしょう。

まずは状態確認

症状は爪先外側のえぐれです。まだ表面の革はペロッとついていますが残念ながらこれを貼り付けても綺麗にはならないので削り取ります。

傷をサンドペーパーで削ります

サンドペーパーで表面を削り整える

サンドペーパー600番を使い削っていきます。

表面を削った革靴

途中で毛羽立ちを抑えるためにデリケートクリームを使っています。

サンドペーパーで削った革靴

徐々にサンドペーパーを細かいものに変えていき、ツルツルになるまで削ります。この状態が一番可哀想で削りながら心が痛みます。

この時にあまりにも凹みが目立つようでしたら革用パテを使い凹みを埋めますが、今回は若干トゥの形は変わってしまったもののパテを使うほどでもないためこのままコロンブスの傷補修用クリームのアドカラーを塗っていきます。

コロンブス傷補修用クリームアドカラーで色の調合をします

サランラップの上で色を作っています。パレットの上で作ってもいいのですが、後片付けが非常に面倒なので毎回サランラップを敷いています。

調合は基本的に感覚で行います。色の三原色を覚えておくととても便利です。

傷に調合された色を塗ります

革靴の傷を削った部分を補色する

調合された色を傷に塗るのですが私はティッシュを使いました。今まではスポンジでのせていましたが今回スポンジがなかったため代用しています。

職人により筆や手で塗る方もいらっしゃいますが、私は筆が苦手なためティッシュやスポンジを使用しています。

乾燥したらサンドペーパーでならします

ならすためにサンドペーパーで革靴を削る

乾燥後、再度サンドペーパーで削ります。この時は目の細かいものを使います。1000番から1200番、1500番、2000番辺りを順に使いツルツルになるまで行います。

色をつけた部分をさらにサンドペーパーでやすった

表面を触り凹凸を感じた場合は再度サンドペーパーをかけます。

削った革靴に色をつけた

また色を上からのせます。繊細な作業になりますので、ゆっくり慎重に状態を確認しながら行います。

傷の部分の補色をします

同じ色のクリームで革靴を補色する

コロンブスの傷補修用クリームアドカラーの色がしっかりのったら次は全体的に靴クリームを使い補色します。今回使っているのはサフィールのクレム1925です。

傷がすっかり目立たなくなった革靴

しっかり補色しますとそれだけで雰囲気もよくなりますが、今回は右足に合わせて鏡面磨き(ハイシャイン)をします!

右足と合わせて鏡面磨き(ハイシャイン)をします

ハイシャインをした革靴

ハイシャインをすることで傷跡がより目立たなくなるため、傷補修をした場合はハイシャインをお勧めします!

鏡面磨き(ハイシャイン)について細かく解説しています。

革靴の傷補修完成!

いかがでしょうか、えぐれた状態から傷補修することにより傷があったことが分からないまでになりました。

靴磨きや傷補修という作業はかなり性格が出てしまいます。私は繊細で慎重な性格のために一気に削ることが怖くてできずゴリゴリいけないんですよね。その性格は良かったり悪かったりで、大きな失敗はしないですがゴリゴリ削れないと傷跡が残ったりもします。

この作業をやることで性格が図れますから、是非やってみて下さいね。

上:Before 下:After

傷補修の3つのコツを伝授!!!

革靴のケア用品

傷補修時のサンドペーパーの使い方

サンドペーパーは複数用意したほうがいいです。荒いものから細かいものまで何種類か用意しやりながら様子を見て変えていくほうが綺麗になります。傷が浅ければ荒いものを使うと表面が毛羽立ちますので細かいサンドペーパーを使いならしていきましょう。

傷補修時の色の作り方

私が一番難しいと思うのが、色の調合です。先ほどもご説明しましたように靴を作った会社しか持っていない靴の色を再現することは不可能に近いと思われます。似ている色ならすぐに作り出せますので、まずは大体似ている色を作れるように、色が出来上がったら靴の色と比較し少しずつ調整をして下さい。

傷補修に完璧を求めない!

完璧を求めない、これは職人の時から大事だと思っていました。拘りがあることは本当に大事なことですが、ゴールを設定しない場合この作業に終わりがありません。傷補修という作業だけに囚われず磨きも含めて今ある「傷」を目立たないものに変えていければこの「傷補修」は成功になります。どこかで妥協するということは人生と同じで前へ進むための一歩なのです。

傷補修と靴磨き・鏡面磨きはセットプレー

技術を組み合わせることで傷が目立たなくなる

今回は実際に傷補修を行いながら解説してみましたがいかがだったでしょうか?

傷を目立たなくさせるというゴールに向かって作業をするのですが、傷をサンドペーパーで削るという行為と靴磨きはセットだと考えて頂きたいです。これはどちらか単品では傷を目立たなくさせるというゴールには辿り着けないため、傷補修と靴磨きを同時にやって初めてゴールできるという作業です。

慣れない方はゆっくり確認しながらやって頂いた方が上達すると思いますので、一つ一つの工程を確実にこなしあなたの大切な革靴の傷を修復させてあげて下さい。
革靴を愛でよう!

スムースレザーのやり方はこちらの記事をご参考になさって下さい。

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