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新品の革靴をプレメンテナンス、必ずやって欲しい3つの理由

靴磨き
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革靴と靴磨きセット

新品の革靴を購入された方必見の「プレメンテナンス」について今回はシェアしていきます。
今お手元に新しい革靴がありこれから履いて出掛けようと思っている方や、これから革靴を購入しようと思っている方はまず最初にやらなければいけないことが幾つかありますので参考になさって下さい。

新品の革靴をいきなり外へ連れ出すのはまだ右も左も分からないような我が子を社会の渦に放り出すようなものなのです。
それほど刺激が強いことなのでまず最初に社会の渦に放り出しても負けないような準備をしていきます。

今回は私の新しい子供のJOSEPH CHEANEYのMILLYちゃんのプレメンテナンスを公開します!
日頃から革靴を我が子のように大事にしペットのように扱っている私なのでこのブログの中でも気持ちが悪い表現が多いと思いますが、全て自分の革靴に対する愛情表現なのでご了承下さいませ。

現在はコロナ禍で思うように外へ出ることもできずステイホームをしっかり守っている方は「おうち時間」を楽しく使って革靴を磨けばコロナ禍が収まりまた外へ出ることができるようになったときメンテナンスされた革靴をすぐに履けますので、ぜひおうち時間を有効に活用して下さいね。

新品の革靴のプレメンテナンスとは

新品の革靴を履き下ろす前にメンテナンスをすることで革靴を傷や汚れから守り、革を柔らかくすることで靴擦れがしにくくなり当たりも優しくなります。

なぜ新品の革靴を磨くのか

「新品なうえ傷もなければ汚れていない革靴をなぜ磨くの?」
このプレメンテナンスは通常の靴磨きと目的が違い、乾燥している新品の革靴に油分を入れ保革効果を高め傷つきにくく汚れにくくさらに屈曲しやすくするために磨きます。

新品の革靴は非常に繊細で弱いです。このまま外で履いた場合すぐに傷がつき、汚れなども付着しやすい状態にあるためプレメンテナンスでクリームを入れることをおすすめします。

①保革し革を柔らかくすることで靴擦れ防止

新品の革靴は革が一番硬い状態にあります。
靴擦れが起こる場面もこの新品の状態が一番多く、革が履き馴染んでいくことで靴擦れもしにくくなります。

もちろん革靴は履いて馴染ませるのですが、最初にクリームを入れることで革は柔らかくなり柔軟性が生まれます。
柔らかくなった革は当たりが優しくなり屈曲しやすくなり足へのストレスも軽減されます。

②乾き切った革に栄養を与える

新品の革靴はもちろん新品なので誰も履いていない状態ですが、あなたの元に届くまで“乾燥したバックヤードで眠っていた”ということも少なくなく革の表面はパサパサ乾燥しています。
革にとって乾燥は大変良くないものなのであなたが向かい入れてあげたらすぐに栄養を補給してあげて下さい。あなたの新品の革靴はお腹が減っていてすぐに食事をしたいと思っています。

お腹を空かしたあなたの革靴はいきなり油っぽい食事をするとシミになったり、変色してしまうこともあります。まずは油分少なめのデリケートクリームから与えて下さい。そして徐々に油分の濃いものを与えるようにして下さい。

③クリームを入れることでシミや傷防止

真っ新な革に雨水が垂れるとどうなると思いますか?
すぐ染み込んでシミになります!!
お腹を空かせたあなたの新品の革靴は雨水や泥水、オイルだろうが何でも食べてしまいます。
その吸収力は真っ新な状態が一番高いです。

雨水や泥水、オイルなどが新品のあなたの革靴に触れる前に純粋なクリームにより油分を与えることで革は純粋なクリームによって満たされます。
ある程度満腹になったあなたの新品の革靴は余計なものは食べようとしなくなります。

「あなたの新品の革靴」を生まれたての子犬に例えましたが、新品の革ほど繊細な状態はないというほど傷つきやすく汚れも付着しやすいという特徴があります。生まれたての子犬が無垢なように新品の革靴も無垢なのです。

そんな無垢な革靴をあなたが育ててあげることで、あなたの一番の親友になることは間違いありません。
あなたに栄養を与えられた革靴はあなたの足に沿うように馴染んでいきます。ここから数ヶ月は一心一体となりあなたと一緒に歩みと成長を楽しんで下さい。

革靴のプレメンテナンスの手順

黒い革靴と馬毛ブラシ

新品の革靴が埃まみれということはないとは思いますが、気になる方はブラッシングをして下さい。

紗乃織刷子の馬のたてがみを使用したブラシは馬毛と山羊毛の中間のような程よいコシのあるブラシです。
ブラシの持ち手部分には天然のブナの木を使用し、オイルステイン技法を採用し使い込むほどに味が出る作りになっています。

木材加工から植毛まで日本の職人が丹精を込めて作っているブラシです。

クリーナー

最初にクリーナーを使った方がいいという方もいらっしゃいますが、私としては製造工程の中で落とさなければいけない成分が革靴についているとは思っていないためクリーナーは使っていません。

新品であってもB級品で色群やシミなどがある場合などを除いてクリーナーは使わなくて良いと思っています。神経質で「誰が触ったか分からなくて嫌だ」という方はクリーナーを使うのも良いと思います。

革靴は外で履くものなので日頃のメンテナンスを含めそこまで神経質にならず身の回り品として扱うのがベストだと思います。宝飾品とは違い実用的であり消耗するものですので神経質になり過ぎない方が革靴としても幸せだと思います。
過保護な親は良くないって言いますしね!

デリケートクリーム

デリケートクリームと黒い革靴

サフィールのデリケートクリームでまず保革します!

成分:ホホバオイル、小麦プロテイン(乳化性)

サフィールのデリケートクリームは天然植物成分のみを使用しているためシミになりにくくヌメ革にも使用できるという特徴があります。
またワックス成分も弱いためマット革にも向いています。

私は靴クリームを塗る前の下地クリームとして愛用しています。
私は色々なデリケートクリームを使いましたが、このサフィールのデリケートクリームが艶がなく一番安心して使えるデリケートクリームだと思い長年愛用しています。

黒い革靴にクリームを塗布する

クロスを使い優しくクルクルと円を描くように塗っていきます。
この時決してゴシゴシ擦らないようにしましょう。

1920年に誕生したサフィール(Saphir)は、今ではフランス製の一流シューケア・レザーケアブランドとして認知されています。

皮革のケアと補修用品の品質についての世界的なリーダーとして、伝統的な製造工程とプレミアム品質の原料を適切に調合することにより、サフィール製品はあらゆる種類の革の保護と美しさを保つためのクオリティーブランドとして世界5大陸の65カ国以上で広く愛用されておます。 そのサフィールブランドの掲げる目標とポリシーは「常にその商品が最高の効果を発揮するために、厳選した天然原料から製品を製造し提供すること」で、テレビン油、ビーズワックス、カルナバワックス、オゾケライトワックス、ラノリン、ホホバオイル、ミンクオイル、ニートフットオイル、スウィートアーモンドオイルなどの天然原料にこだわり、革に悪影響を及ぼす合成樹脂やシリコンなどを配合することのない世界で唯一のブランドです。

サフィールブランドの製品はあなたがたの大切な持ち物の価値をより高めながら、気まぐれな天候からも守ってくれます。

SAPHIRサフィール より

乳化性クリーム ニュートラル

黒い革靴とシュプリーム

コロニルのシュプリーム(ニュートラル)を使用します!

成分:シダーウッドオイル、ラノリン、フッ化炭素樹脂

コロニルのシュプリームは皮革への浸透力が高いシダーウッドとラノリン等の天然オイルをブレンドしたクリームです。有機溶剤を使用せず、皮革内部に染み渡ることで繊維に潤いを与えます。フッ化炭素樹脂が撥水加工をもたらすため、汚れがつきにくくお手入れが楽になります。
用途は通常のスムースレザー用ですが、コードバンやブラッシュレザーにも使えます。

フッ化炭素樹脂・・・コロニルの防水スプレーに使用されておりフライパン等の調理器具の表面をコーティングするテフロンという商品名でも知られており、皮革の内側に浸透し被膜を作ることなく防水効果をもたらすことができます。
皮膜を作らないメリットは皮革の呼吸を妨げないためエイジングの速度に影響を及ぼしません。

今回プレメンテナンスでコロニルのシュプリームを使用した理由はこの「フッ化炭素樹脂」を塗ることで防水効果を得るためです。

イングリッシュギルドと黒い革靴

イングリッシュギルドのビーズリッチクリームを塗ります。こちらも乳化性のクリームです。

イギリス製のイングリッシュギルドはイギリスノーザンプトン周辺の製靴会社に提供していた靴クリームや仕上げ剤を作っている会社が一般向けに製品化したものです。
特徴はナチュラルワックスを使用した蜜蝋入りの良い香りがする乳化性靴クリームです。
スーッと馴染む浸透性の良さと磨けば本当に美しい艶が出るイングリッシュギルドはプロ御用達です。

豚毛ブラシと黒い革靴

ワックス成分のあるクリームを塗った際は必ずブラッシングをし全体的に馴染ませます。
豚毛ブラシでブラッシングをすることで艶が出ます。

紗乃織刷子は日本の熟練した職人が知識と技術を用いて作った最高級ブラシです。
持ち手部分は上質なブナの木を使用しオイルステイン技法という製法により使えば使うほどに味が出るようになっています。

ブラシの持ち手は曲線を描いていますが、豚毛の植毛された毛はストレートに揃えるという技術を使っているところも見所であり、一度使っていただきたいです。

ブラッシングで均す(馬毛)

馬毛ブラシでブラッシング

綺麗に仕上げるコツ!
馬毛ブラシでブラッシングします。

ここで使う馬毛ブラシは埃を払う馬毛ブラシとは別のブラシです。専用を用意したほうがいいですね。
馬毛ブラシでブラッシングすることにより豚毛ブラシでは伸ばしきれなかったクリームをさらに馴染ませてくれます。

少し贅沢ですが、豚毛の後により艶を出すテクニックとして私が職人だった時ブートブラックの馬毛を使っていました。
絶妙なコシがすごく良かったです。

ブートブラックのブラシは江戸屋が作っています。江戸屋とは享保3年創業の伝統ある刷毛専門店です。馬毛100%、日本製の良さを実感して下さい。

乾拭きまたは仕上げブラシ

黒い革靴をミトンで乾拭き

グローブやミトンと呼ばれる仕上げ用を使い拭き上げます。

この時、手を素早く動かし摩擦を起こします。
仕上げはゆっくりやることには意味がなく、ある程度のスピードを必要とします。
この工程を入れることでクリームの艶は一段と美しいものになります。

パラブーツのポリッシュグローブは羊毛100%の艶出しグローブです。
パラブーツは1919年からソールも自ら製造する世界で唯一のシューズメーカーです。
昨今パラブーツの人気は止まることを知らずカジュアルだけでなくビジネスとしてもパラブーツを履く方が増えています。

黒い革靴を仕上げブラシでブラッシング

本格派の方は山羊毛ブラシによる仕上げのブラッシングをしましょう。

少量の水を使うことでより強い艶が出せます。
水は霧吹きやディスペンサーを使うと水の量が調節でき便利です。

ブートブラックのフィニッシングブラシは広島県安芸郡熊野町で伝統的な技法により製造された熊野筆と同じ製法で作られた靴磨き用ブラシです。毛の性質を活かし毛先を切らずに揃えた非常に柔らかくコシのあるブラシです。

ポイントは山羊毛と馬毛の混合ブラシという点です。
山羊の産毛1:馬の尾先1という割合が生んだ絶妙なコシ。
持ち手にはヒノキを使用しエイジングも楽しめます!!

ソールケア

新品のレザーソールをケアする

忘れてはいけないのがソールケアです。新品のソールは大変繊細で雨水などはすぐに吸い込んでしまいます。

そこでソール用のオイルを使用することで革に栄養を与えしなやかにしてくれます。
ラバーソールの場合はこちらの工程は割愛して下さい。

サフィールノワールのソールガードはセサミシードオイルやアボガドオイルが革底に栄養を与え水の侵入や劣化、ひび割れから革底を守ってくれます。
サフィールは1920年にフランスで生まれた歴史あるシューケアブランド。そのクオリティーの高さはフランスを代表するハイブランドのケア用品のOEMも手掛けるほどです。

ソールガードを爪先のソールに塗る

革靴にクリーム塗るときはいつでも優しく丁寧に塗りましょう。

1箇所だけ塗ると1箇所の革の色が濃くなりますので塗る際は必ず全体的に満遍なく塗ることを心がけましょう。

全体的にソールガードを塗った状態

塗り終わるとソールの色はワントーンほど暗くなります。

完成!

プレメンテナンス完了した革靴

アッパーやソールをケアしたら完成です!

ブラシ

ブラシの持ち方について

「ブラシってどうやって持つのですか?」
と聞かれてハッとしました。「どうやって?」あまりに何も考えずブラシを持っていたのでそこまで深く考えたことがなかったです。

磨きの仕事をしていた時は1日に何十足と磨き、腕は振りっぱなしで段々手に力が入らなくなるとブラシがビューーーン!と飛んで落ちてしまうこともありました。
しっかり握るように持たなければ振った時に落とすことになるので、持ちやすい持ち方で構わないので振って落とさないような持ち方をした方がいいです。

私は小指だけをブラシの端にかけて親指と人差し指中指で挟む形で持つやり方が好きです。
ブラシといってもサイズが色々あり、持つ方の手のサイズが関係しているため「こう持ちなさい」ということも言えないのです。

私が一番ブラシを選ぶ際に大事だと思うのは「毛の質」<「サイズ」だと思っています。
男性は手が大きいため小さなブラシは持ちにくく、逆に女性は手が小さいため大きなブラシを握ると持ちにくかったりします。しっかり力が入り素早く動かしてもビューーーン!と吹っ飛んだりしないサイズがおすすめです。
ブラシを購入する際はできれば店頭で握ってみて手のサイズとブラシのサイズが合っているか確認して下さい。手のサイズが違うので持ちやすさはそれぞれ皆様違い持ちやすさなども全然違います。

4つのブラシの持ち方

私が一番持ちやすいサイズは左下のかなや刷子のサイズです。
私の手にしっくり収まります!

ブラシの毛の長さ

ブラシの毛の長さが色々あることをご存知でしょうか?
「何が違うの?」とお思いかもしれませんが、毛質によって硬さやコシやハリが違います。ブラシの毛の長さについても「これがいい!」という断定的な言い方はできないため好みのブラシを探すことがオリジナルの磨きに繋がるので、ぜひ好きな毛の長さを探して下さい。

かなや刷子の毛足の長さ

かなや刷子の豚毛

毛の長さ:約3cm

サフィールのブラシの毛足の長さ

サフィール ブリストルブラシ

毛の長さ:約2cm

試供品のブラシの毛足の長さ

豚毛ブラシ

毛の長さ:約1.7cm

私は仕事柄色々なブランドのブラシを使いますが、所有しているブラシ全てが使いやすいものとは思っていません。やはり使いやすいブラシとは自分に合っているかということに尽きると思います。
人それぞれ手のサイズ、体のサイズが違うため使いやすいブラシというものが決まっていないことを知っています。

ブランド名にとらわれることなく自分に合ったブラシを探すことが綺麗に磨くコツです。さらに一つのブラシを使い続けるより場面ごとでブラシを使い分けるとさらに便利に感じると思います。
ブラシはただの道具です。その道具をどのように使いこなすかはあなた次第なのです。複数の性格の異なるブラシを使いこなすことで作業は捗り、楽しさも増します。

以上でプレメンテナンスは終了です。
では新品の革靴を早速お外に連れ出してあげましょう。
初日は晴れた日がおすすめです。革底の場合雨が降った路地は滑りやすいため、晴れた日に歩くことでソールが荒れグリップも良くなります。

フルメンテナンスの方法はこちらから!

革靴を大切にすることが心を豊かにする

革靴や通勤用のバッグ、時計など身につけるものを大事に扱うというのは私は心の豊かさに通じるものがあると思っています。

コロナ禍で心が荒んでしまうことも多いと思いますが、今あなたの身の回りの道具はあなたが揃えたものでしょう。誰かにプレゼントされたものであってもあなたが傍に置いておくことを認めたものだけがあなたの傍にありますよね。
その身の回りのものを大切にしましょう。
もったいないからという理由もありますが、一つのものを長く大切に使うと物に魂が宿り人の心が育まれます。

私は紳士靴販売員をしており日々たくさんの人と出会っています。
仕事以外でも電車の中や立ち寄ったスーパーマーケットなどでも出逢います。
その時に綺麗な靴を履いている人を見つけるとその人の内面を見たような気になるのです。

「この人は靴を大事にしてるんだ」
きっと綺麗な靴や皺のない洋服を着ている人は日頃からメンテナンスをしているのだと思います。つまり自分の身の回りのものの変化にすぐに気づき対処しているところから心に余裕がある人だと思ったのです。

自分の身の回りのものに愛情を注いで生活している人は他人にも同じように愛情を注いで接していることでしょう。他人を大切にできる心とはある種の余裕です。逆に他人をぞんざいに扱う人は自分の身の回りのものの変化にも気付かないでしょう。

私はこんな時代だからこそお気に入りのものに愛情を注ぎながら長く使って欲しいと思っています。
自分の身の回りのものや他人を大切にすることで、あなたの心は育まれ本当の意味での豊かさを手に入れるでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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