ご卒業、ご入学、おめでとうございます!
新しい出会いと、新しい環境に今から準備をしなければいけませんね。
そこで今回は卒業式・入学式に使える革靴のデザインをご紹介します。
店頭では
「そのまま就活でも使える革靴を探しています!」
という親御様がたくさんご来店されました。確かに、卒業式や入学式は1回使うだけになりそうなのでそのまま就活でも同じ革靴を使えたら便利ですよね。
つまり「何でも使える革靴のデザインとは?」というポイントでお話を進めていきますので、最後までお付き合い下さい。
就活の革靴はどのようなデザインが良いのか?
1足目はストレートチップの内羽根式
フォーマルシューズと呼ばれる革靴で燕尾服やタキシードにも合わせることができます。
内羽根式というのは、ハトメがついた羽根部分が爪先革に縫い付けられており履き口がV字に開いて紐で締めるタイプ。
2足目はプレーントゥの外羽根式
爪先革部分にミシン目や飾りのない無飾りのデザイン。
ハトメがついた腰革が爪先革の中央部で開いているタイプ。
色は黒、素材はスムースレザー、そしてレースアップであることが基本的な条件です。
就活には相応しくない革靴のデザインとは?
就活に向かない革靴のデザインとは「カジュアル」なデザインです。
「革靴なら何でもいいでしょ」と思っている方がたまにいらっしゃいますが、実は革靴にはデザインによってはフォーマル、またはカジュアルという違いがあるのです。
そのためカジュアルな革靴は避けた方がいいです。
モンクストラップ
「モンク」は修道僧を意味し15世紀頃アルプス地方の修道僧が考案したことからこの名前がつきました。
レースアップではないため若干カジュアルになります。
ローファー
ローファーは「怠け者」の意味でレースアップよりも楽に履けるためこの名前がついたと言われていますが、就活で怠け者になってはいけませんよね。
ウィングチップの革靴
甲の飾革のデザインの一つで小穴や縫い取り、切替で鳥の翼の形を型どったもの。
パーフォーレーションは派手な革靴になります。
エナメルの革靴
革の表面に樹脂を塗って光沢を出した革ですが就活には派手過ぎるために向きません。
起毛の革靴
起毛とはスエード、ヌバック、ベロアなど革をバフさせて毛を立たせたものをいいます。
起毛はカジュアルになるので就活向きではありません。
裏革をバフさせたものをスエード、表革をバフさせたものをヌバックといいます。
革靴の素材の選び方
本革
通気性がよくお手入れをすることで長く履けるのは本革のビジネスシューズです。
本革は足に馴染んでいくため履く人の足の形に伸びていきます。
つまり履いた人の足にフィットするようになります。そのため履き馴染みがよく長時間履いても疲れにくいです。
合成皮革
昨今本革と見間違えるほど精巧な作りの合成皮革のビジネスシューズも販売されていますが、合成皮革の場合は雨に強く安価というメリットもありますが磨いたとしても艶が出るわけでもなく劣化が始まるとアッパーが切れて中から樹脂の下地が出てきてしまい見た目が非常に悪いです。
そして合成皮革の場合は通気性が悪いため暖かい季節は蒸れてしまい匂いの原因にもなります。
そのため私は本革のビジネスシューズをお勧めします。
実際に店頭で試し履きを行おう!
店頭で革靴を購入するメリットはたくさんあります!
分からないことはその場で靴の販売員に聞けるのでインターネットで初めての革靴を選ぶよりも店頭で選んでいただいた方が足にピッタリの革靴が見つかります。
スーツ用のソックスを履いて
スニーカー用の厚手のソックスを履いて革靴を試し履きした場合、ジャストフィットのサイズを選ぶことができません。
実際にスーツ着用時に履くソックスを用意し革靴を試し履きしましょう。
厚手のソックスを履いた場合、サイズはワンサイズほど変わってしまいます。
夕方に試し履きをしよう
「靴は夕方に買うべし」というのは昔から言われておりますが、足が夕方になると浮腫むためです。逆に朝方は足が浮腫んでいないので夕方と比べると足は小さくなっています。朝方選んだ革靴を夕方に履いたらきつ過ぎて履けないということにならないように、夕方にフィッティングすると正確なサイズが選ぶことができます。
足長とウィズの確認
私が革靴を初めて履かれる方を接客する場合は必ずスケールで足長を測ります。
それはお客様にご自分の足のサイズをおおよそでも良いので知っていただきたいからです。
実寸=革靴のサイズ
ということではありませんが、実寸と近いサイズを選ぶことになります。
「革靴は足が痛くなるという噂を聞きましたが本当ですか?」
“巷の噂”ではないですが、「革靴は足が痛くなる」と思い込んでいる方もたくさんいらっしゃいますね。
確かに革靴はスニーカーと比べると硬く革が馴染むまでに痛みがあったりする場合もありますが、馴染めばとても快適な履物です。
そこで革靴を初めて履いても痛くならないようにポイントをご説明します!
サイズが合っていない革靴は靴擦れを誘発します!
確かに小さ過ぎる革靴は痛いですが、大き過ぎる革靴は足が靴の中で動き踵は浮き上がるので靴擦れになりやすくなります。
特に踵が浮き、歩くたびに上下するような場合は注意が必要です。
しっかり自分の足に合ったサイズを選ぶことが靴擦れを防ぐ第一歩になりますので、店頭でフィッティングする際はピッタリとしたサイズを選びましょう。
革靴のサイズはスニーカーのサイズとは違います!
サイズを伺うと“スニーカーのサイズ”を伝えてくれる方がいますが、実はスニーカーのサイズと革靴のサイズは全く違います。
例えばスニーカーで27cmを履いている方が革靴を履いた場合26cmくらいのサイズになる場合が多いです。個人差によりもう少し革靴のサイズが下がる場合もありますが、基本的にはスニーカーのサイズと革靴のサイズが同じということはありません。
革靴は革が伸び馴染むまで時間がかかります!
革靴は基本的に革が伸びることを前提でサイズを選びます。
そのためピッタリのサイズで選びますが、革が伸びればきつくは感じなくなります。
ここがポイントで最初から緩いサイズを選んだ場合は革が伸びるともっとゆるくなってしまいます。
するとサイズが大き過ぎるために靴擦れになることもありますので、ピッタリのサイズを選んだあとは馴染むまでお待ち下さい。
革靴はお手入れをすることで長持ちする
「革靴って、手入れ必要なんでしょ?」
そうなんです。革靴はお手入れが必要な履物なのです。
革靴はお手入れすることで長持ちしますので、購入後よく使う革靴であれば月一回程度はしっかりとお手入れをしてあげましょう。
お手入れをすることで愛着が湧き少しの変化にも気付くようになります。
長くお世話になる革靴はあなたのパートナーですから常に変化には気付きたいものです。
こちらのリンクは革靴のお手入れの方法についてです。
ぜひご覧下さい。
革靴は3足以上用意しローテーションし履こう
1足を毎日履いていると靴の中に溜まった汗が乾き切らず匂いの原因にもなりますし、傷みやすくなります。
3足程度用意しローテーションし履くことで1足が傷みにくくなります。
踵が擦り減った場合は修理ができますので購入した店舗または修理工房などへ持ち込み修理を依頼しましょう。革靴は履き捨てではなく修理をしながら長く履くことが基本になります。
初めて革靴を履く皆様へ
今回は卒業式・入学式・就活でも使える革靴についてシェアしましたが、いかがでしたでしょうか?
フォーマルシューズであればどんな場面でもお使いいただけるというのが基本的な内容でした。
「革靴のファーストシューズ」として選ぶならまずはストレートチップの内羽根式から始めて次にプレーントゥの外羽根式、3足目はスワールなどでもいいと思います。
またストレートチップの内羽根式がやや窮屈という方は1足目にプレーントゥの外羽根式を選んでもいいと思います。
スニーカーを普段履かれていた方がいきなり革靴になるというのは少なからずストレスを感じるものだと思います。ソールが柔らかくスニーカーのような履き心地のビジネスシューズも販売されていますのでいきなりクラシックの革靴を選ばずに歩きやすさを重視した革靴を選ぶのも一つの手です。
では、楽しい革靴ライフをお過ごし下さい。
何か困ったことがありましたら、このブログをご覧いただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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