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靴磨きの頻度とタイミングは?革靴にとってのベストタイミング教えます

ビジネスマンが袖のボタンを留める 靴磨き
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紳士靴に携わり10年が経ちましたが、仕事はもちろん革靴を履いています。店頭に立つ者として綺麗な革靴を履くことは当然です。私は仕事で履く革靴を毎日お手入れしているのですが、毎日履かない革靴もあるわけで「一体革靴ってどんなタイミングでお手入れするの?その頻度はどれくらい?」という単純な疑問に今回はお答えしようと思います!
やり過ぎても革は傷みますし、やらなくても革は傷みます。つまりお手入れの“ベストタイミング“が革靴には存在するのです。

毎日必ず行いたいお手入れ

靴を磨く手

私は革靴は履いてなんぼだと思っています。つまり飾っておくものではなく、実際に足を守るために履く実用的な道具だと思っています。そのため毎日使う道具をどのようにお手入れするのかというのは道具を長く使うために重要なポイントになります。
あなたのために役に立ってこそあなたの革靴は喜びます。では、毎日使うあなたの相棒をどのようにお手入れすれば良いかご説明します。

馬毛ブラッシングは必ず行う

外を歩けば綺麗に見える革靴も排気ガスや粉塵などがつき、お家に帰る頃には埃まみれになっています。まず帰宅後は馬毛のブラシでその埃を綺麗に払ってあげて下さい。帰宅後スーツをブラッシングし埃を払いますよね。同じことを革靴にもしてあげて下さい。


豚毛ブラシでブラッシング

通常のお手入れのようにペネトレイトブラシでクリームを伸ばして…という工程は省いて構わないのでその革靴の色に合った豚毛のブラシを使い磨き上げて下さい。豚毛のブラシが新品でない限りブラシについているクリームで艶が出ますので、サッと磨けば艶々になります。

毎日クリームをつけるというのは革にとって油分過多になりあまり良くないためこれくらいが毎日行うお手入れとしては丁度良いです。


シューキーパーは洋服ハンガーと同じ

ブラッシングをした後はしっかりとシューキーパー を入れてあげ型崩れしないようにしてあげて下さい。革靴は足の汗によりそのまま放置するとフニャフニャになり型崩れします。帰宅後スーツをハンガーにかけますよね。シューキーパー はまさにハンガーです!木製のシューキーパー は型崩れ防止だけでなく、湿気を吸い取り、消臭効果もあります。そのため必ずシューキーパー は入れてあげ下さいね。


月1お手入れのフルコース(フルメンテナンス)

よく履く靴は毎回ブラッシングをし、シューキーパー を入れてあげればOKですが月に一度程度はしっかりとしたお手入れをしてげて下さい。これは簡易的なものではなく、幾重にも重なった汚れやクリームなども落とし一度スッピンの状態に戻してあげるお手入れフルコースです。

月に一度というのはあくまで目安になりますので、革の状態により行うことをおすすめします。革の状態というのは、革に艶感がなくなり触ってもパサパサとし潤いを感じられなくなってきたらしっかりとお手入れのフルコースをしてあげた方がいいですね。

ワックスはきっちり落とす

フルメンテナンスをする時には必ずワックスは落とします。これは鏡面磨き(ハイシャイン)が決して革に良いわけではないからです。鏡面磨きをする際ワックスで毛穴を埋めますよね。毛穴をワックスで埋めることで凸凹がなくなりピカピカに見えるのですが、この毛穴を埋めるという行為は革の通気性を損なうことになります。そのため鏡面磨き(ハイシャイン)をしたままでいることは革にとって呼吸ができない状態でいることになり、大変革には負担があります。

月に一度はしっかりとワックスも落としスッピンにしてあげることで革もリフレッシュし、クリームののりも良くなります。

修理(摩耗)箇所の確認

元靴修理職人のHIROsophyだからこそ声を大にして言いたいのは、靴磨きをした時に革靴の傷みに気づいて欲しいということです。せっかく靴磨きをするのだから色々チェックをして早く傷みに気付けば修理代金もあまりかかりません。傷みに気付くのが遅れあちらこちらと傷んでいた場合は全て直すと高額になることは本当によくあることです。革靴も早期発見早期治療が一番です

かかとの擦り減りを確認

まずは、かかとのゴムの減り具合をチェックします。私が指で指していますが、この靴は黒い部分がゴムでそれより上の茶色の部分は積み上げという革でできています。できればこのゴムの部分が擦り減った時点でトップリフトの交換をしたいのですが、もしこの積み上げ部分が削れていたとしても擦り減ったところをコーナーフォローという修理をし、トップリフトをつけることができます。
一番見栄えの綺麗な修理は積み上げごと交換すれば真新しい部材が付きますので、仕上がりは一番綺麗です。


レザーソールの厚みを確認

次に確認して頂きたい修理(摩耗)箇所は革底の場合ソールを見て下さい。ソールの真ん中部分を指で押すと、修理が必要な場合はペコっと凹みます。つまり擦り減り薄くなっているために指で押す程度で凹んでしまうのです。指で押す程度でペコっと凹んだ場合はもうすぐ穴があくというサインですのでハーフラバーを貼るか、またはオールソール交換の時期が近付いています。


腰裏・ライニングの破れを確認

外側だけではなく中も見て頂きたいのですが「ライニングの状態」はいかがでしょうか?気付かないうちにライニングが破れていたというのは本当によくあることです。
特に私が指で指している腰裏部分ですね。この腰裏が破れるとカウンターが剥き出しになったりしますし、靴擦れになりますので靴磨きをする時には靴の内側の確認もして下さい。

つま先の摩耗を確認

つま先が一番気付きにくいかもしれないチェックポイントです。つま先、削れていませんか?時々「私は歩き方がおかしいせいでつま先が削れて困ります」とおっしゃるお客様がいますが、このつま先が削れるのは歩き方がおかしいせいではないのです。「皆様削れます」というのが私の答えです。蹴り出す時につま先から蹴り出します。知らないうちにかなりの力が入っているため気付くと削れているのです。
トゥスプリングといい殆どの靴は蹴り出しやすいようにつま先が上を向いていますが、それでも削れるのです。靴磨きをする際は真正面から見てウェルトまで削れてはいないか確認して下さいね。

通常の靴磨きのやり方と更に靴磨きを楽しみたい方への鏡面磨きのやり方の記事もありますので、ご参考になさって下さい。

新品の革靴に対して行うお手入れ(プレメンテナンス)

「新品の革靴にお手入れするの!?」と驚かれる方もいらっしゃるとは思いますが、新品の革靴には絶対プレメンテナンスをして頂きたいです。その理由は、長い間在庫になっていて革の油分が飛んでいたり、乾燥したバックヤードに置かれている革靴の革の状態は決してベストではありません。そして、メーカーから出荷される時は最低限の仕上げのクリームだけですのですぐに革の表面はパサパサになっています。パサパサになっている状態は人間でいう冬場の手荒れをした状態と同じです。
手荒れをした状態でいると外部からの刺激に弱いため皮膚が切れたりしますよね。革も同じで、外部からの刺激に大変弱い状態にあります。

デリケートクリームで保革

そこで保革効果のあるデリケートクリームを塗ってあげることで革はしっとりし潤いが戻り外部からの刺激にも強くなります。デリケートクリームは各メーカーから出ていますが、私はサフィールのデリケートクリームを使っています。サフィールはフランスのブランドで天然成分に拘って作られています。サフィールはハイブランドのケア用品のOEMも手掛けておりとても信頼のあるケアブランドです。サフィールのデリケートクリームはシミにならずしっとりするのでおすすめです。


防水スプレーを使い防汚・浸透を防ぐ

仕上げとして使って頂きたいのが防水スプレーです。新品の革靴にいきなりシミがついたら泣きたくなるでしょう。そんな事態に陥らないために防水スプレーがおすすめです。防水スプレーをかければ雨なども撥水してくれ、汚れがつきにくくなります。
そして何より汚れがサッと落ちお手入れが大変簡単になります。私が愛用しているのは日本のケアブランドコロンブスのアメダスという防水スプレーです。この防水スプレーはツヤ革、スエード・ヌバック、人工皮革、布地にも使え、アメダスをかけても通気性も損なわないため革にも優しく便利です。


イレギュラーな場合のお手入れ

革靴は外で使う道具のため時には驚くべき事態に遭遇することもあるでしょう。そんな時の対処法をご紹介します。

雨に濡れてしまった場合のお手入れ

雨に濡れてしまった場合は、しっかりと乾燥させる必要があります。玄関にそのまま放置することはせず、すぐに靴の中に紙などを詰め水分を革靴から取り除きましょう。細かなやり方は、こちらの記事をご参考になさって下さい。

カビが生えてしまった!

雨に濡れたり、梅雨時期など湿度が高い期間はカビが生えてしまう可能性もあります。その時に革靴に生えてしまったカビを放置しますとその革靴周辺のものへとカビが移り被害が拡大してしまうため、カビを発見した場合はM.モゥブレィ モールドクリーナーを使いしっかり除去しましょう。

M.モゥブレィ モールドクリーナーの使い方は、https://www.randd.co.jp/howto/kabi/をご覧下さい。私はこのM.モゥブレィ モールドクリーナーを使っていますが本当にカビ菌が死にます。カビ菌除去をM.モゥブレィ モールドクリーナー以外でも試したことはありますが、その時はカビ菌はしぶとく復活してしまいました。そのためしっかり除去したい方にはM.モゥブレィ モールドクリーナーがおすすめです。


“革靴のお手入れ“といっても様々なお手入れがある

「新品の革靴」と「毎日履く革靴」のお手入れ方法が全然違うように、“お手入れ”といっても色々ありましたね。新品の場合は保革効果のあるクリームで栄養補給をしてあげ、毎日履く革靴はブラッシングで日々の埃を払ってあげる、軽く豚毛のブラシで磨いてあげるだけで元気を取り戻します。革靴を履く頻度と革の状態を見ながらお手入れをしてあげて下さい。目で見るだけでなく手で触ってあげると革靴は色々な情報をあなたに訴えています。是非感じてあげて下さい。
一緒に革靴を楽しみましょう!

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