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レザーソールのケアは必須、誰でもできるお手入れ方法を伝授!

茶色のダブルモンクストラップ 靴磨き
この記事は約29分で読めます。
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茶色のダブルモンクストラップ

元気ですかぁぁぁ〜、あなたのレザーソールは?
レザーソールってどんなイメージをお持ちですか?
「階段などで滑りやすい」「摩耗しやすい」「雨が染み込みやすい」などでしょうか?これは非常に一般的なイメージですが、レザーソールってケアが必要だということはご存知ですか?
「えー!!!」驚きましたか?私は紳士靴販売員をしていますが接客の中でお客様に説明すると驚かれる方は多いです。靴磨きってアッパー(甲革)だけするものだと思っていますよね。これが違うんです!
今回は、エレガントな紳士靴の魅力レザーソールについてシェアしていきます。

アウトソールは大別すると2種類

階段を降りながら靴底を見せる

アウトソールというと靴底を指します。地面に接する部位ですね。このアウトソールの部材の種類ですが大別すると2種類ありまして、“レザー”か“ラバー”です。“ラバー”に関してはさらに種類がたくさんあります。スポンジ・PVC・ウレタン・合成ゴム・生ゴムなどです。ここではソール部材をレザーとラバーに大別しお話していきます。

レザーソール

レザーソールのAlfred Sargent

皆様ご存知のレザーソール!
通気性がよく、屈曲しやすいため疲れにくく、足馴染みが大変良いソールです。もちろんデメリットもあり、雨を吸い込み傷みやすくソールがツルツルしているため雨が降ると濡れたマンホールや階段などでは滑りやすいです。
駅の階段で転びそうになり怖い思いをしたのでレザーソールはやめたというお客様が何人もいらっしゃったのでレザーソールの一番の難点ともいえます。私の感想としては歩きやすく、しゃがんだりしても突っ張る感じがなくストレスも少ないと感じます。

ラバーソール

ラバーソールのParaboot

こちらがラバーソールです。滑りにくく雨に強いです。そして耐摩耗性があり擦り減りにくいという特徴もあります。ラバーソールを使っている革靴はレザーソールと比べてカジュアルな印象があり、そのソールの形状も様々です。ラバーソールのデメリットは通気性が悪いことと、屈曲性がレザーソールと比べ悪いところです。ここで“悪い”という表現を使いましたがレザーソールと比べて若干悪いという感じで、実際は気にならないラバーソールがほとんどだと思います。極端に厚みのあるラバーソールは重く感じ屈曲しにくく感じることもあります。

レザーソールはなぜケアが必要なのか?

靴を磨くケア用品

レザーソールはなぜケアをしなくてはいけないのでしょうか?答えはシンプル、レザーというものは部位に関係なくケアが必要だからです。
例えアウトソールとはいえレザーであることには違いがありません。アッパー(甲革)同様に適宜ケアをしてあげることで革靴が長持ちします。では、レザーソールのケアを怠った場合ソールに何が起こるのでしょう?

  • ソールの油分がなくなり割れる
  • 摩耗していることに気づかない
  • 屈曲性が損なわれる

レザーはどの部位であっても同じレザーなので油分が必要です。ソールが濡れて乾燥した後そのままにすることで油分はなくなりガサガサになり硬くなります。そのまま歩くことで屈曲性を失ったソールは割れてしまうのです。


そしてソールの異変に気づくことが遅れ穴が開いていることにも知らずに歩き続けた結果、靴の中に水が入り気づくことになります。元靴修理職人のHIROsophyはそういう革靴をたくさん見ましたが、大半が手遅れです。その理由は穴が開いたソールから水が侵入し中底やライニングなど靴内部の劣化が激しいため、修理金額がとんでもない額になり修理を断念せざるを得ない方がたくさんいました。道行く人もソールに大穴が開いたまま歩いている方もいますよね。それくらいソールの異変は気づきにくいものなのでしっかり靴磨きをする際にチェックしなければいけない部位です。

靴磨きの一環として

靴磨きをする男

靴磨きといえばアッパー(甲革)を磨くのは当然ですが、アウトソール(靴底)もチェックすることを習慣化していただければ穴が開いてから気づくということもなくなります。

レザーソールのケア方法

「レザーソールのケア方法」などとタイトルをつけましたが、めちゃくちゃ簡単なので気負うことなく進んでいきましょう。

ソールが汚れたREGAL

見て下さい、私のレザーソール。
本当に見せたくないくらい汚いですよね。外で履いているので汚れることは仕方がないのですが、左足かかとの革マッケに何か金属がハマってますし…状態が悪いわけではないですがすぐにケアしていきましょう!

ソールをブラッシング

まずはブラッシングをします。これはアッパーの埃を払うブラシではなく別のブラシをソール用として用意された方がいいと思います。アウトソールはかなり汚れているためブラシもアッパーの埃を払う時よりも汚れます。

ここで使うブラシはソール専用にしていただきたいので、豚毛ブラシでも馬毛ブラシでも構いません。ソールをブラッシングするブラシに最高級品を使う経費が勿体ないのでそこは削減し、低単価なブラシをご用意下さい。

ソールとクリーナー

次に使うのが、クリーナーです。
サフィールのレノマットリムーバー を使い汚れを除去していきます。ここでクリーナーを使う理由は、この後オイルを塗るのですが汚れたままでは充分に吸い込んでくれないためまずは毛穴を開き綺麗な状態にしていきます。

サフィールのレノマットリムーバーは頑固な油汚れやカビ、塩吹きなど落とせるリキッドクリーナーです。
サフィールのレノマットリムーバーはかなり強力なため、強く擦ったり大量に塗布したりすることはおすすめしません。

ソールとクロス

当然ながらかなり汚れており、すぐにクロスは真っ黒になります。

靴磨きをする際に何のクロスを使えばいいのか、皆様も悩むところかと思いますが私はウエスを使用しています。
たくさんの靴磨きをする時にどれだけ経費を抑えることができるのかということも大事なポイントになります。
このウエスはたくさん入っていてコスパが良いのでレザーソールをお手入れする際も気にせずに使えます。

ソールから抜けたハトメ

左足かかとに刺さっていた金属を抜いてみるとハトメでした!
修理工房内はいろいろなものが落ちているので踏んで刺さったままになっていたのでしょう。

両手で靴底を持ち見せる

しっかりクリーナーを使い拭き取りました。黒くなっている部位は削れているためクリーナーが勢いよく吸い込んだところです。黒くなるのは当然なためご心配なさらずに。

ソールガードとソール

続いてはサフィールのソールガードというオイルを使いケアしていきます。サフィールのソールガードとはセサミシードオイル・アボガドオイルなどの天然油分で革底に栄養を与え水の浸透や劣化から守ってくれ、防水性や柔軟性も増すため摩擦やソールが割れてしまうことを防いでくれます。

サフィールのソールガードはオイルのため仕上がりは暗くなります。容量は100mlですが一回量は少量で構いません。

サフィールノワールのソールガードはレザーソール専用のオイルです。天然の植物性セサミシードオイルやアボガドオイルが革底に栄養を与えてくれ、水の浸透やソールのひび割れから守ってくれるためおすすめです。

ソールに対しオイルを塗る

クロスに少量ソールガードを取り伸ばしていきます。驚くほどよく伸びるオイルなので、一回量は少しで充分です。

ソールとアビースティック

オイルを伸ばし切ったらこくり棒を使いレザーソールの表面をならしていきます。このこくり棒は手作りのため販売していないのですが、本当に使いやすく感動を覚えます。

私はアビーレザースティックも持っていますが、今回はこくり棒(通称)を使いました。
また代用するとしたらレザークラフトなどで使用しているプレススリッカーでも構いません。
毛羽立ちなどを押し込めることができればいいので素材自体は硬い方が良いと思います。

レザークラフトの道具

こくり棒のようなもので結構ですので、例えばレザークラフトなどで使用するプレススリッカーでもいいですし、コードヴァンケアで使用することの多いアビーレザースティックで問題ありません。

ソールとクロスで巻いたこくり棒

クロスを巻いて力を入れて磨いていきます。

両手で靴を持ち靴底を見せる

ソールガード塗るとこのように塗る前と比べ色は暗くなります。
完成です!!

アッパーもケアする

アッパーにクリーナーをつける

この際ついでなので靴磨きをしていきましょう!ちょっと擦れがあったり艶感が落ちていると気になるので、ソールもケアしたことですしアッパーも綺麗にしましょう!
まずはクリーナーのレノマットリムーバー で汚れを落とします。

靴クリームを革靴に塗布

今回使用するクリームはイングリッシュギルドのニュートラルを使います。イングリッシュギルドは本当に艶々になるので、今回はニュートラルですが黒色のクリームで革靴を磨けば黒光りしますよ!!

イングリッシュギルドはイギリスノーザンプトン周辺の製靴会社に靴クリームなどを卸している会社が作った商品です。
ナチュラルワックスを使用した蜜蝋入りの靴クリームです。
独特な香りがまたよく、靴磨きをしているという香りが漂います。

革靴をブラッシングする

軽くブラッシングをします。
このレザーはクリームを吸い込まないレザーなので少量のクリームを塗り全体的に磨き上げます。

磨き終わった靴を見せる

艶々になりました!
時々「磨いても艶が出ないんですけど」というお客様がいらっしゃいますが、革に原因があるかもしれませんし磨き方によるものかもしれません。

過去にブラッシングのやり方が甘いせいで全然艶が出ない職人がいました。何足磨いても艶が出ないので周りの職人がブラッシングをし直すと艶々になったことから艶が出ない原因はブラッシングにある場合もあります。大きめのストロークで素早くブラッシングをしましょう。ある程度のテンションをかけながら磨くことがコツです。

レザーソールをケアする頻度は?

ピカピカに輝く茶色の革靴

レザーソールのケアする頻度は気になりますよね。レザーソールのケアは半年から1年に1回程度で問題ありません。丁度1年くらいレザーソールを履くとオールソール交換をするか迷う時期ですよね。それより早くにオールソール交換になる場合もありますが、半年から1年のうちに1度レザーソールのケアをすることでオールソールのタイミングもその時に分かるかと思います。

あなたの足元は見られている

階段を上がる男の足

私が紳士靴の販売員をしているためか私は人の足元ばかりを見ています。一緒に働く同僚や電車の中にいる通勤途中の男女、また私の目の前を闊歩する人など見ていないようでじっくり見ています。何をそこまで見ているかというと「足元に対する意識の度合い」です。それぞれ価値観が違うため足元のケアに対する考え方が全然違います。靴底に穴が開いていることも気しない人や汚れた靴を履いている人、しっかりと磨かれた革靴を履いている人などいろいろですよね。私はもっとみんなに綺麗な靴を履いて欲しいなと思います。
別に高級な靴を履いて欲しいわけではなくて汚れていない靴を履いて生活して欲しいのです。

日本の西洋靴の歴史は浅いため綺麗に靴を磨く文化はまだ根付いていないのかもしれませんが、洋服も綺麗なものを着ると気持ちがいいように靴も綺麗なものを身につければ気持ちがいいですよ!
では今日からレザーソールのケアも忘れずに行って下さいね。最後までお読みいただきありがとうございました!

靴磨きをする時はいくつかの修理チェックポイントがあります!!是非参考にして下さい

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