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クリーナーの使い方を極めれば靴磨きがもっと楽しくなる!

茶色のダブルモンクストラップ 靴磨き
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茶色のダブルモンクストラップ

大事に革靴を履いているつもりなのに気がついたらシミができていたり、得体の知れないものが付いていたりしたことはありませんか?しかも爪先にそんな汚れが付いていると落ち込みますよね。そんな時は皮革用クリーナーが活躍します。目に見える汚れがなくても、日頃からクリーナーを上手に使うことで革靴は長持ちします。革靴だけでなく革製品が好きな方も必見です!

革靴のクリーナーとはどんな時に使うのか

黒い革靴の汚れを落とす

革靴には目には見えない汚れや菌がたくさん付着しているので、定期的にクリーナーを使い溜まった汚れを落とす必要があります。何度も靴クリームを重ねて塗ると革が硬くなったり毛穴が完全に詰まり通気性が悪くなり革が呼吸できなくなったりします。

そして意外に知られていないのが「汗」の存在です。普段履いている革靴は気づかないうちに大量の汗を吸っており、汗が多い場合にはアッパー(甲革)にシミができるほど革は汗まみれなのです。
汗は塩分を含んでおりアッパーに白い輪ジミのようなものが浮き上がったりすることもあり、放置することで革靴の見栄えも悪くなります。そこでクリーナーを使うことでクリームの油脂だけでなく目に見えない汚れを落とし雑菌の繁殖を抑え汗によるシミも除去します。


クリーナーというと革靴に使うイメージがありますが実際は革の鞄や革小物などにもお使いいただけます。鞄や革小物は革靴よりも汚れる頻度は少ないと思いますがもしも汚れてしまった場合は同じクリーナーで綺麗にすることができます。

クリーナーの使い方と注意点

注意!

クリーナーは汚れを除去したり古い靴クリームを落としたりと大変便利なものですが注意点がいくつかありますのでご紹介します。

クリーナーを使ってはいけない素材

シミになったり革を傷めたりするためクリーナーを使う時は素材を確認しましょう。リキッドクリーナーを使える素材は基本的にスムースレザーのみです。

  • エナメル
  • 起毛(スエード・ヌバック・ベロア)
  • エキゾチックレザー
  • 素仕上げヌメ革

クリーナーを使う時に注意すること

これは全てのクリーナーに共通することです。ケア用品はメリットがあるものですが必ずデメリットもあります。革を傷めないためにも取り扱いは丁寧にしましょう。

  • 強く擦り過ぎない。
  • 一度にたくさん使い過ぎない。
  • クリーナーでシミになることもあるので注意し、まず目立たない場所に塗り色などの変化がないか確認する。
  • 色落ちする可能性があることを忘れない。
  • できればクリーナーを使う前に特殊な汚れの場合は何が付着したのか確認する。それによりクリーナーで落ちる汚れかどうか判断できる場合がある。

クリーナーの使い方と大事なポイント

今回はTricker’sをしっかりとクリーナーで汚れを除去しデリケートクリームで仕上げていきます。通常デリケートクリームの後に補色のクリームを使いますが、このTricker’sはすぐに使う予定はないため油分少なめのデリケートクリームを使います。

例えば衣替えなどでしまう予定の革靴の場合きっちり油分を入れてしまうとカビの原因にもなるため、使う予定がない場合もこのようにあっさりとしたクリームで仕上げることをおすすめします。

まずは馬毛ブラシを使い埃を落とします。シワが入っているところはシワに沿ってブラッシングをします。コバや羽根の部分は埃が溜まりやすいので念入りにブラッシングをしましょう。

紗乃織刷子は日本の職人が細部までこだわった高級ブラシです。
毛は馬のたてがみを使い、持ち手には天然のブナの木を使用し、サイドに窪みをつけることで手から滑り落ちないようにしています。
毛並みはしっかりとブラッシングができるように直線に揃えられており、しかし中央部分だけは1〜2mm長くカットしています。
使う人のことを最大限考えて作られた日本製ブラシです。

馬毛ブラシで埃を落としたら次はクリーナーで本格的に汚れを落としていきます!まず綺麗な布を用意しましょう。私は適当な布を用意することが面倒なのでメリヤスウエスを買っています。

私は靴磨きをする時にウエスを使います。
伸縮性があり指にピタッとすることで指に凹凸なく平に巻きつけることができ、キメが細かく仕上がりは綺麗になります。
ただクロスも道具のため自分に合ったクロスを探すことが重要です。

人差し指と中指に布を巻きつけます。ポイントはシワがよらないようにピッタリさせることです。布の巻き方もコツがあるので、やり方が分からない方は布の巻き方を説明している記事がありますのでそちらをご覧下さい。

布の巻き方はこちらでご説明しています!

今回使うクリーナーはコロンブスのツーフェイスローションです!しっかりと2層を白濁するまで混ぜ合わせます。

コロンブス ブートブラックのツーフェイスローションは二層になった洗浄成分を混ぜ合わせることで水性の汚れと油性の汚れを落とすことができる画期的なクリーナーです。
使用する前に軽くボトルを振ることで洗浄液は混ざり合います。
容量も100ccの小さいものから300ccの大きなものまで取り揃えているためお好みに合わせて選べます。

コロンブスのツーフェイスローションを少量布に取ります。この時大量につけないことがポイントです。

量はこれくらいです。少量を何度かに分けてつけます。この時革靴の目立たない場所でクリーナーを使い色落ちやムラなどが出ないかどうか確認しましょう。

いきなり爪先からクリーナーを使い色落ちしてしまうととても目立ってしまいます。

優しく撫でるように革靴全体を拭き取っていきます。クルクルと円を描くように隅々まで拭き取ります。

布を見ると古いクリームが落ちています。

大事なポイントですが、布は汚れたら面を変えていきます。汚れている面を使い何度も拭き取っても汚れは落ちません。布の綺麗な面を使い汚れを拭き取りましょう。

汚れが全て落とせたらサフィールのデリケートクリームで保革します。デリケートクリームには保革の効果がありますのでクリーナーの後は必ず使うようにしましょう。

サフィールのデリケートクリームは、ワックス成分が弱く光沢はでませんがヌメ革にも使える植物性成分のみを使用した優しいクリームです。

全体的にデリケートクリームを塗布し豚毛ブラシで磨きます。ここでの役割は磨き上げるというよりも全体的にデリケートクリームを馴染ませる目的で使っています。

サフィールのブリストルブラシは豚毛100%を使用した手に持ちやすいサイズのブラシです。
サイドには溝がついているため手から滑り落ちないようになっています。

さらに靴磨き用ミトンで磨くことで艶が出ます。今回はデリケートクリームで仕上げていますので自然な艶が出ました。

完成!!

靴磨きには色々な仕上げ方があり、その革靴の状態などに応じて変えましょう。必ずしも靴クリームを使わなくてはいけないわけではなく革の状態により油分を調整することが望ましいです。

元靴磨き職人おすすめのクリーナー3種

コロンブス ツーフェイスローション

コロンブスのツーフェイスローション

コロンブスのツーフェイスローションは界面活性剤を減らしているため溶剤の成分が革にダイレクトに与えることができ洗浄力が高いクリーナーです。私はよくツーフェイスローションを使いますが、本当に汚れがよく落ちます。クリーナーの中でも強力な部類に入ると思います。成分だけでなく使い方にも特徴があり油性の汚れを落とす成分と水性の汚れを落とす成分の2つを軽く振り混ぜ合わせます。半透明な液体が白濁したら出来上がりです。

成分:有機溶剤(イソパラフィン系炭化水素)、ノニオン系界面活性剤、エタノール、水

モゥブレイ ステインリムーバー

モゥブレイのステインリムーバーは軟水ベースのソフトウォーターなため革にダメージが少ないという特徴があり、さらに防カビ剤も配合されているため革には天敵のカビも防ぐことができます。ステインリムーバーの中には適量の油脂が含まれておりポリッシュなどの油性ワックスも落とすことができます。このステインリムーバーを仕事で使っていましたが確かにツーフェイスローションと比較してみると優しい印象です。色落ちが少なく初心者にはとても扱い易いクリーナーです。リムーバーは靴クリームよりたくさん使う場合がありますが、モゥブレイのステインリムーバーは大容量も販売されており使う頻度によりサイズを選べます。

サフィール レノマットリムーバー

サフィールのレノマットリムーバーは他社にはない「カビも落とせる」という素晴らしい効果があり、今回ご紹介した3種の中で一番強力です。

「カビってそんなに落ちないの?」と思う方もいらっしゃると思いますが、元靴磨き職人の私はたくさんのカビの生えた靴を見てきましたが“本当に手強い”と思っています。カビは拭き取って表面的に跡形もなくなったと思っても気づくと再発しています。カビの根から除去するには強力なカビ用クリーナーかこのレノマットリムーバーが必要です。カビだけでなくもちろんしつこい油性ワックスなども落とせますので、一回でスッキリ綺麗にすることができます。こんなに強力なクリーナーですが皮革にダメージを与えにくい中性(ph7)で作られているため安心してお使いいただけます。

クリーナーを使っても落ちない汚れは存在します。その場合はクリーナーを何度も使うよりも丸洗いしてしまった方が革を傷めないこともありますので、臨機応変に革の状態と汚れを見ながら選びましょう。

靴磨きには欠かせないクリーナーを上手く使いこなす

今回は3種類のクリーナーをご紹介しましたが、これらはただの“道具”に過ぎません。私は靴磨き職人だった頃用途に合わせてこの3種は使い分けていました。そのためどれが一番良いというようなことは言えませんし、むしろどれも良いというのが感想です。
“道具”は使う人により毒にも薬にもなるものです。

色落ちやムラなどに注意しながら使用すればとても便利なもので革靴を良い状態に保つためには欠かせません。何度も靴クリームを上塗りした後は必ずクリーナーで落としてあげ毛穴を広げてあげましょう。この工程は正にお化粧と全く同じで毛穴が開いた革はよくデリケートクリームをよく吸ってくれます。クレンジングした後の化粧水のようなものです。日頃のフルメンテナンスではクリーナーを使って汚れを落としてからクリームを入れてみて下さい。驚くほどクリームを革が吸い仕上がりが格段に違うことに気づくと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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