なぜ革靴には履きジワが入るのか
人間の顔を想像して下さい。
あなたが笑うと頬にはシワが寄ります。
歳を重ねると自然とシワが増えます。
この現象が異常ではないことは周知の事実ですよね。
人間の顔のシワと同じように、革靴にシワが入るというのは当然のことなのです。
人間と同じくエイジングさせることで、そのシワは味となります。
人間も歳を重ねることで「貫禄が出たね」という表現をしたりしますね。
革靴もシワが入ることで〝貫禄〟が出ます。
その〝貫禄〟を上手くコントロールすることで恰好いい〝シワ〟になっていきます。
革靴の履きジワは良くない?
シワが入らない革靴を探しています
なんでシワが入るんですか!
シワが入らない革靴はないです!
履きジワは足を屈曲させることで必ず入ります
HIROsophyもシワが嫌だなんて言われたら泣いちゃいます。
天然の革を使っているため、歩くたびに甲部分にはシワは入ります。しかしシワが入り甲部分の革が歩くたび伸びているため歩きやすくなるということも事実です。
「履きジワは良くないか」という問いに対し結論は「良くない」ですが、履きジワを放置することが良くないだけで通常履きジワは入るものなので問題ありません。
革靴の履きジワの主なデメリット
履きジワのメリットは私はないと思っています。
その理由は下記の3点が挙げられます。
履きジワを目立たなくするための2つのポイント
①革靴の履きジワをシューツリーで伸ばす
革靴を購入したときシューツリーも一緒に勧められることが多いと思いですが、「販売員は1客単価を上げようと必死になってるな!」と思い「結構ですー!」とお断りする方もいらっしゃると思います。
その考え方は間違ってはいないですが、販売員は決して1客単価のためだけにシューツリーを勧めているわけではないのです。
シューツリーを使うことで履きジワが伸びてクラックなどのひび割れを防ぐことができ、革靴が長持ちするためシューツリーを勧めているのです。
履いたらシューツリーを使いシワを伸ばすことで深いシワが入ることを防いでくれ、尚且つ革靴の形を整えてくれます。
お客様の中には「革靴のつま先がどんどん反り返ってくる」と相談される方がいますが、革靴のつま先が反り返るという現象はシューツリーを入れずに放置しいる場面でよく見かけます。
靴内に籠った湿気が乾燥することで革靴が丸まってくるのです。
まずはシューツリーを入れましょう!
②靴磨きで履きジワを目立たなくさせる
シューツリーをしっかりと入れていても完全に履きジワがなくなるわけではないため、それでも気になる方は靴磨きで伸ばすというやり方もあります。
靴磨きで履きジワを伸ばすというのは履きジワを消すのではなくあくまでエイジングをして恰好よく見せるという役割で行うものになるため〝目立たなく〟というイメージです。
履きジワの状態を確認する
まずどの程度の履きジワが入っているのか確認しましょう。
ソールを手で屈曲させて見るとどんな形で履きジワが入るのかが分かります。
今回はこの甲部分にしっかりと入った履きジワをならしていきます。
クリーナーで汚れを落とす
まずは保湿剤を塗る前にしっかりとクリーナーで汚れを落とします!
コロンブス リッチモイスチャーで革を保湿し柔らかくする
今回はしっかりと保革するためコロンブスのリッチモイスチャーを使います。
リッチモイスチャーは一度使えば絶対納得します!それくらいしっとりと保湿されるのが分かります。
コロンブス リッチモイスチャー 100ml
- 天然アルガンオイルを使用し皮革に素早く浸透
- マカダミアナッツバターとヒマワリバターが革に潤いを与える
- 植物性のカルナバワックスが自然で美しい艶を出す
- 靴以外にも鞄、財布、革小物にも使える万能なオイル
- ろう、油脂、乳化剤、水
指を使い革を揉み込む
今回は揉み込むためシューツリーはこの段階で抜いておきます。
指を使い履きジワの入っている方向に対し直角になるように揉み込みます。優しく何度も揉みます。
サフィール レザーバームローションを塗り込む
サフィールのレザーバームローションはアビーレザースティックで摩擦を起こさないために塗ります。
アビーレザースティックで揉み込む部分を中心にサフィールのレザーバームローションを塗ります。
サフィール レザーバームローション
- ホホバオイル、ミンクオイル配合のトータルケアローション
- スムースレザー製品全般に使える
- 汚れを落とし革に柔軟性を与え美しい艶を出す効果あり
- レザーバームローション1本あれば事足りる便利さ
- フランス製
- 無色のため革の色を選ばない
アビーレザースティックで革を伸ばしていく
アビーレザースティックで履きジワに対し縦と横に押すように伸ばしていきます。
この時何も塗らずに押し込むと革にダメージを与えてしまうため、サフィールのレザーバームローションを塗っています。
必ずしもレザーバームローションを塗らなくてはならないわけではなく、デリケートクリームを塗布しても構いません。
数回繰り返すだけで履きジワは大分改善されました。
アビーレザースティック
- 水牛の角
- コードバンの表面を滑らかにするためにも使われる
- レザーソールの磨き上げにも使える
艶出しの靴クリームを使い磨き上げる
アビーレザースティックで押し込んだ後、見栄えを整えるため靴クリームを使い磨き上げます。
できあがり!
う、美しい…
手間をかけることで革靴はイキイキしてきます。
手間がかかるのが革靴ですね。
履きジワは放置しないでお手入れをしよう
履きジワは放置し続けることで見栄えが悪くなります。
深い履きジワによりクラックになる前にしっかりとお手入れをし、最悪の事態を防ぎましょう。
今回は2つのポイントでお話しました。
一つはシューツリーによる強制、二つはアビーレザースティックによる強制です。
どちらも革を引っ張り伸ばすという点は共通しています。
つまり履きジワは〝力を加えて伸ばす〟ことができるのです。
これは本革故に柔軟性を持ち合わせた素材だからといえます。
履きジワというのは革が折れ曲っている状態なため、放置し続けると折れ曲った部分から亀裂が入り裂けてしまうこともあるため毎日のお手入れとしてはシューツリーを使い、履きジワが深くなった時にはクリームとアビーレザースティックで伸ばしてあげることで革靴が長持ちします。
履きジワも味の一つですから、過敏にならずにお手入れをしてあげて下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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