そろそろ暖かくなり衣替えをしても良いかな〜という季節になりました。(最近まで東京は雪が降っていましたが!)
そこで今回元靴磨き職人のHIROsophyがそろそろ春靴と交代を待ちわびているスエードのブーツやムートンの簡単なお手入れ方法を皆様に伝授したいと思います!今回しっかりとお手入れをして来年また履きましょう!
スエード靴とは?
スエードの定義のおさらいをしますね。
スエードとは起毛の一種で裏革をサンドペーパーなどで毛羽立たせたものをいいます。起毛の種類には「ベロア」「ヌバック」があります。触るとスムースレザーと違いフサフサした感触があり、足入れの感触としては足当たりも優しい感じがします。今回は私のEMUのムートンをお手入れし、ムートンには一旦お休み頂くことにしましょう。
スエード靴の10分お手入れ!
お手入れするスエード靴はこちらです!埃をかぶっていますね。もう今後履かない靴をお手入れしますので防水スプレーはせずに補色をし、型崩れ防止の詰め物をし終了です。ではまずはブラッシングからしていきます!
スエード靴をブラッシングし埃を払う
スエードいえばこのスエード用ブラシ!ハンドルがついておりこちらを握って回転させるように毛を起こしていきます。毛が部分的に潰れている場合は真鍮のブラシを使うとすぐに起き上がります。使用しているのはサフィールの豚毛のブラシです。
スエード靴特有の毛並みを揃える
所々毛並みに乱れがあり、擦れたところは毛足が長くなっていますのでライターを使い毛を焼いていきます!煙草を吸わない方はライターなどお持ちではないかと思いますが、100円ショップのライターで構いませんのでご用意下さい。私のこのライターは磨きの時に使う専用ライターです。火を当て過ぎるとスエード が燃えますので調整し炙る程度にして下さい。このライターで炙るという技はステッチほつれの時にも使えますので覚えておくと便利です!
スエード靴の色褪せを補色
若干色褪せがありましたのでスエード用補色スプレーで色をつけています。このスエード用補色スプレーには栄養もあるのでおすすめです。よくある失敗例としてスエード 靴に近付け過ぎて噴射したためシミになったり、色ムラが出たという方がいらっしゃいます。スプレー類は全て近付け過ぎてかけないようにしましょう。何一つ良いことなどありません。全体的にムラなくかけるように心掛けましょう。
ムートンの場合はしっかりと形を整える
ムートンにはシューキーパーがないため形崩れがしやすいです。せっかくお手入れしてもヨレヨレになってしまっては見栄えが悪いので要らない紙を丸めしっかりとスエード靴の奥まで詰めましょう。この際新聞紙を詰めることはインクが靴に移ることもありますのでおすすめしません。もし新聞紙を使いたい場合は新聞紙の上から無地の紙を巻き付け直接インク部分が靴に触れないようにしましょう。
できあがり!!
完成です!これでスエード靴は冬眠の期間に入りますので春靴と交代してもらいます。
こんな時代だからこそ物を大切に
物が溢れる時代なので買おうと思えば毎年新しい靴を履くことは可能ですが、それでは心が満たされません。自分の持ち物を「可愛いな」「今日の調子はどうかな」と思いながら履くことで革靴は成長しますし、「また来年宜しくね」と思いながらお手入れすれば愛着も沸きます。それぞれお手入れする目的は若干異なるのかもしれませんが、私は革靴に愛情を注ぐ時間がお手入れの時間だと思っていますので皆様にも是非我が子のように革靴を扱って頂きたいと思っております。「共に白髪が生えるまで」って革靴には白髪は生えないですが、人生に寄り添う物が革靴です。
革靴を愛でよう!
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