
靴好きのあなたはきっとスニーカーにもこだわりがお有りですよね?
私は知っています、あなたが革靴だけではなくスニーカーも集めていることを…!
あなたは日頃革靴のお手入れはされているが、スニーカーの汚れには手を拱いていますね!
「え?何で分かったのかって?」靴好きなら絶対に通る道だからですよ。
今日は、スニーカーの汚れ落としをまたまた私物を使いご紹介します。ここまで読んで「ちょっとくどいな…」とお思いかもしれませんが、今回も最後までお付き合い下さいね。
自宅にあるものを使いスニーカーの汚れを落とそう!
簡単に自宅であるものでスニーカーの汚れを落とそうというコンセプトで今回はお話を進行させていただきます。確かにコロンブスなどからスニーカー用の汚れ落としキットなども販売されていますが、「今すぐスニーカーの汚れを落としたいんだ!」という方にはこれから用意するとなると時間もかかり簡単には始められないので、どこのご家庭にもあるものでスニーカーの汚れを落としていきます。
汚れ落としをするスニーカーはプレモントリオールレーサー
今回はそのナイキプリモントリオールレーサーの汚れを落としていきます!
私が靴磨き職人だった頃、スニーカーを綺麗にするというのがこんなにも難しいものかと悩み考えました。その理由は、スニーカーの方がよりたくさんの素材を合わせて使っている靴だからです。汚れを本当に落とすには素材別に考える必要があります。革靴の場合、スムースレザーと起毛の二つに分類されますがスニーカーで使われている素材は多種多様です。アッパー素材だけでなくソール素材もEVA、PVC、ウレタン、合成ゴムなど見た目が非常に似ている素材も多くあります。
このスニーカーの素材に付着した汚れを落とすには何を使うことが一番いいのか、十把一絡げには申し上げることができないため今回は「プリモントリオールレーサー」を例に挙げ解説しようと思います。
メンズ・レディースと共に人気のあるプレモントリオールレーサーは、ナイキランニングの創始者ビル・バウアーマンの一番弟子スティーブ・ローランド・プリフォンティーンがモントリオールオリンピック挑戦へ向け1973年に製作されたモデルです。
スティーブ・ローランド・プリフォンティーンは「アメリカ中距離界の天才児」とスポーツ・イラストレイテッド誌に紹介され22歳にしてアメリカ陸上界で最も有名な選手になりました。
まずは汚れ落としをするスニーカーの素材の確認!

汚いスニーカーをネット上に晒すことに抵抗はありますが、汚いものが綺麗になる瞬間を皆さまとシェアできたらと思います。靴磨きも同じですが、汚いものが綺麗になるというのはとても清々しく嬉しいものです。この感覚があるから靴磨きはやめられないのです。
まず素材を見てみます。アッパーはスエードと合成繊維を使い、ソールはミッドソールにEVA、アウトソールにはソリッドラバーを使っています。
EVAはビルケンシュトックにも使われる軽量な素材です。そしてアウトソールのラバーは耐摩耗性に優れています。このプレモントリオールレーサー複数の素材を使っているところが汚れ落としの鍵になります。
今回用意するもの

- 馬毛ブラシ
- アルコール除菌シート
- 水
- マイクロファイバークロス
- 漂白剤
- 小さな容器
- ライター
- サンドペーパー
汚れを落とす手順をご紹介

基本のキ!
馬毛ブラシでブラッシングをし埃を払いましょう!
紗乃織刷子は馬の毛の中でも「馬のたてがみ」を使って日本の職人が丁寧に作られた高級ブラシです。
持ち手には天然のブナの木を使いオイルステイン技法という長く使うことによって味が出る製法になっています。
ブラシといっても安い買い物でないので最高級のブラシを手に入れたいですね。

まずは合成繊維部分やソール部分をアルコール除菌シートで拭いていきましょう。本革部分以外はアルコール除菌シートで拭いても構いませんが素材によっては変色する恐れもありますので目立たない部分で試すなどして下さい。本革部分をアルコール除菌シートで拭いてしまうとシミになる可能性もあるためおすすめしません。
ウェットティッシュはスニーカーを磨く際とても重宝します。
ソールやアッパーなど合成繊維の部分はウェットティッシュで拭き取り汚れを除去します。
たくさん用意しておけばあちこち拭いてもなくなることはありませんね。

ハンドラップを用意しました!
(無い方は用意しなくて構いません)
ハンドラップは本当に必要なのかと猜疑心いっぱいな方もいらっしゃると思いますが、私が使っている感想としては「あった方がいい」です。
少量の水やアルコールをとることができ本当に便利です。またアルコールは揮発しないため蓋を閉めればある一定の期間はそのまま入れっぱなしでも問題ありません。

裏技!!
そしてマイクロファイバークロスをご用意下さい!
マイクロファイバークロスはマイクロレベルの極細繊維を使って作られた拭き取り用クロスです。日常のお掃除で使っている方も多いと思います。マイクロファイバークロスを用意しハンドラップの水を少しつけます。水を含ませ拭き取ることで洗浄効果は上がります!
マイクロファイバークロスはスニーカーを磨く際絶に対必要です。
力強く言いますがスニーカーの汚れを落とす時にこんなに便利なものはありません。
水だけで汚れが落ちるのですから。

EVAに付着した汚れがアッという間に!!!

メラミンスポンジはEVAには不向き
よくスニーカーの汚れにはメラミンスポンジが有効ですが、EVAに関していいますとメラミンスポンジよりもマイクロファイバークロスの方が有効でした。
どんな素材に対しても有効なやり方はなく、やはり素材にあったやり方を考えることが大事ですね。メラミンスポンジでEVAを拭き取ってみたところ黒い汚れは横に広がってしまいました。メラミンスポンジは合成ゴムには有効なので、ソールが全て合成ゴムで作られているスニーカーなどにお使いいただくと便利です。

マイクロアフィバークロスはスエードにもお使いいただけますよ。
必ず綺麗な面を使うことを心がけ、少量の水を含ませたマイクロファイバークロスでスエード部分を拭き取ります。するとマイクロファイバークロスに汚れが付着していきます。

裏技!!
お馴染みのサンドペーパーの登場です!!
サンドペーパーを使い全体的にスエード部分をバフさせます。(削り取るイメージです)
サンドペーパーは靴磨きや靴のクリーニングをする時に必ず必要になります。
番手の低いものから複数用意しておくほうがいいですね。

裏技!!
サンドペーパーで全体的にスエード部分をバフさせると色ムラや汚れなどが削り取られスエード部分が統一感のある色になります。
しかしバフさせたことで毛足はバラバラになってしまったので、ここでライターで毛足を整えます!
使い捨てライターは靴磨きの際も登場しますが、必需品です!
毛足を整える時や付着してるボンドを溶かす時に私は使います。

表面は毛羽立ち、汚れています。

サンドペーパーをかけることで表面の汚れは削り取られ、さらにライターで炙ることで毛足の長さは整い、スッキリとした印象になります。サンドペーパーは状態により番手を変えることをおすすめします。

EVA部分の汚れに注目して下さい。あれだけ黒く汚れていたEVA部分の汚れが落ち白くなっています。
※新品のように白く戻すことは不可能なので出来る限り汚れを落とした状態です。

かかと部分のスエードもサンドペーパーをかけてライターで毛足の長さを整えれば黒ずみ汚れも消え綺麗になります。

最後に黒ずんでいる靴紐も洗いましょう!

小さな容器に漂白剤を入れ靴紐を30分程度つけおきします。

漂白剤を洗い流す際しっかりと靴紐を揉み洗いし、乾燥させます。
真っ白な靴紐の場合、紫外線により黄ばむこともあるので外で乾燥させるには注意が必要です。

綺麗になった靴紐を通して完成です!
見て、こんなに綺麗になったよ!
“好き”という気持ちだけで生きている

夜遅くに仕事から帰り自宅でまた靴に関してあーだこーだと調べたり磨いたりブログを書いたりしている私ですが、冷静になると時々頭の中が沸いてるんじゃないかと思ってしまいます。散々革靴やスニーカーを見て仕事をしていたのにまた帰宅後靴をいじってるなんて…。
しかし寝食を忘れ靴のことばかりに時間を費やせるのは「単純に好きだから」なのです。好きでなければ疲れて帰宅してまた靴をいじるなんてしませんし、まるで家でも仕事をしているようで吐き気がしますね。「好き」って単純に全てのモチベーションになります。嫌なことや落ち込むことがあっても結局「好き」だから投げ出さずに続けることができ、「好き」だからまた同じ場所に戻ってくる私がいます。
皆さまも心の奥底に眠る「好き」というシンプルな感情を大切にして下さい。人間は正直に生きる方が心身に負担が少ないのです。自分自身の気持ちに正直に、そして大切に。私は捻くれ者なので「好き」なことしかできません。「好き」という気持ちだけでこの世の中を生きることができると私が証明していきます!今回はスニーカーの汚れ落としでしたが、また簡単に誰でもできる裏技など紹介していきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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